▼用語詳細(電気工事用語集)
ベント型蓄電池
(ベントガタチクデンチ)
ベント型蓄電池とは、充電・放電中に発生するガスを、外部に放電する蓄電池のこと。

別名「液式電池」と呼ばれ、電解液の入った電槽(電解液と電極を入れる容器)に電極板が挿入されている、鉛蓄電池発明当時から存在する構造の鉛蓄電池です。

ベント型蓄電池の極板構造として、大電流の放電に適したペースト式と、寿命が長いクラッド式に分類される。
ペースト式は、瞬間的に大電流が必要なUPSやエンジン始動用などに使用され、寿命は6年程度と比較的短い。

クラッド式は、電話交換機や通信用のバックアップ電源として利用され、寿命は10年程度と長く設定されている。

特徴としては以下の通り。

◎内圧を開放する通気孔がある。
蓋部分に、水の電気分解によって発生した酸素や水素ガスを逃がすための通気孔がある。
通気孔にはフィルタがあり、硫酸の飛び散りや引火を防ぐ対策がとられています。
通気孔からガスを逃がすとさらに、換気設備によって室外に排出する。

◎定期的な補水が必要である。
充電中の水の電気分解反応や自然蒸発などにより、電解液中の水分が失われるため、定期的に電解液量をチェックし、液量が少なくなっていれば、精製水を補充する必要があります。

補水作業を簡単にするため、「触媒栓」というものを蓄電池に取り付け、水の電気分解によって発生した酸素は逃がし、水素ガスのみを吸着させ、放電時に空気中の酸素を利用して水素を元の水に戻す機能を持たせることができます。


◎電解液比重を測定すれば、容量が把握できる。
電解液の比重の変化を定期的に測定する事で、容量の状態などを把握することができます。