▼用語詳細(電気工事用語集)
合成樹脂可とう電線管
(ゴウセイジュシカトウデンセンカン)
合成樹脂可とう電線管とは、電線管の種類の1つ。合成樹脂管には、可とう性(物体が柔軟であり、折り曲げることが可能である性質)を持たない合成樹脂製電線管(硬質塩化ビニル電線管)と、可とう性を持った合成樹脂製可とう電線管があります。

合成樹脂可とう電線管は、硬質ポリエチレンの波付き管の上に、軟質塩化ビニル被覆している。金属電線管ほどの機械的強度はないが、耐候性、耐久性、耐衝撃性に優れており、コンクリート打ち込み、埋設、壁内ケーブル保護用など多用途に適用できます。

合成樹脂可とう電線管は、用途に応じて使い分ける必要があります。コンクリートの打込みに限って使用されるのが、「CD管(Combined Duct)」で、非耐燃性で自己消化性がない。主に管の色はオレンジです。
「PF管(Plastic Flexible Conduit)」と呼ばれるものは、耐燃性があり自己消化性をもつ。埋設施工に使用するために圧縮強度を高めた「FEP」等もあります。

「PF管」にはさらに種類があります。「PFS管」は単層構造になっており、露出・隠ぺい部・コンクリート埋設に最適です。「PFD管」は複層構造になっており、「PFS管」と同様、露出・隠ぺい部・コンクリート埋設に最適です。太陽光発電設備の管路など、直射日光に長期間さらされるような過酷な環境では「PFD管」を使用するのが望ましいとされています。

合成樹脂製可とう電線管には様々なメリットがあります。主に以下の通り。

■ 曲げやすい
手で簡単に自在に曲げることが可能。複雑・狭所な場所の配管も素早く思いのままに施工できます。
■ 軽量
コイル巻形状のため、持ち運び安く、高所への運搬も楽。大量の運搬も楽にできます。
■ 切断が簡単
切断はナイフひとつでOK。金属管のようなネジ切りが不要です。
■ 通線性があり、スムーズな通線ができる
摩擦係数が少なく、電線の引き込みがスムーズにできます。
■ 丈夫で長持ち
衝撃(圧縮)に強く、復元性に優れています。耐食性・耐久性もあるので、多様な用途があります。