▼用語詳細(電気工事用語集)
サージ電圧
(サージデンアツ)
過渡的な異常電圧のこと。
瞬間的に発生することから、過渡電圧または過渡過電圧とも呼ばれ、主に以下の原因で発生します。

◎雷放電(LEMP)
落雷によるもの。極めて高いサージ電圧が発生するが、発生頻度はかなり低い。
数千から数万ボルトの高電圧が電力線や通信線を通じて建物内部に侵入し、多くの電気機器を故障させる場合もあります。

◎スイッチング操作(SEMP)
強力な機器のスイッチングや電源ネットワークの短絡によるもの。
影響を受けるケーブルで瞬時に大きな電流変化が発生します。

◎静電気放電(ESD)
異なる導体が近接したり、接触したりすると電荷が移動します。電荷の移動により発生します。
良くある例は、カーペットを歩くと人体に充電され、金属製の接地体に触れて放電するという場合。


本来印加されてはならない異常電圧が電気機器に流れ込むため、耐性の弱い半導体部分に大きな損傷を与えます。
サージアレスタやヒューズなどを用いた避雷器・保安器によって、サージ電圧の侵入を阻止することが求められます。

その他の対策として、
・電流や磁界を急変させ、サージ電圧を発生させないこと
・回路のインダクタンスを抑え、サージ電圧を抑制すること
・発生するサージ電圧を速やかに抑制し、他に波及させないこと などがあげられます。

また回路のサージ電圧耐力(インパルスや静電気耐力)を上げ、影響を受けにくくすることも有効とされ、回路設計の段階から良く考慮する必要があります。