▼用語詳細(電気工事用語集)
殺菌灯
(サッキントウ)
殺菌灯とは、波長253.7nmの殺菌線を効率良く放射するように、紫外線透過ガラスを用いたランプの総称のことを言います。

一般に等しい紫外線量による殺菌効果の波長特性は、菌種によってほぼ同一で、波長250~260nm付近が最も強く、殺菌効果は、紫外線の照度及び照射時間が関係しています。
このような特性を利用したのが殺菌灯です。

照射対象の殺菌だけでなく、空気の流通をさせることで、空中浮遊する菌の殺菌を兼ねることも可能です。

殺菌力はランプと被照射物との距離、ランプの使用時間、器具の汚れ具合、及び周囲温度と湿度などで異なります。

温度としては、周囲温度20度のときに出力が最大になるように設計されています。
周囲温度が10度~35度の範囲では最大値の90%以上を維持していますが、あまり高温や低温で使用する場合は、空冷や保温などが必要です。

湿度としては、湿度が高くなると菌の抵抗力が増し、殺菌力は低下します。(相対湿度60~70%で急激に低下するといわれています。)

空中浮遊する菌の殺菌をする場合は、室内の空気をファンで循環させながら、浮遊菌を殺菌します。

内部で殺菌線(253.7nm)を照射するため、紫外線が目に入るなどの人体に対して有害な紫外線の影響を抑えるという特徴がある。

また、紫外線に弱い樹脂や塗装にも有効です。
クリーンな室内環境を維持したいが、常時人がいる場所での常時連続殺菌におすすめです。

厨房などでは細菌類の繁殖を抑えることで、腐敗臭の発生を抑制でき、害虫の増殖を抑制することも可能である。
人体に対して受けられる紫外線の照射時間が定められているため、使用には慎重を要します。
皮膚の弱い人がいる場所では使用しない方がよいとされています。

人体に長時間照射すると皮膚に炎症を起こすことがあり、特に肉眼で長時間見つめるのは非常に危険である。
ランプが直接見えなくても、天井・壁に反射率の高い材料(アルミニウム・ステンレス・白色ブラスタなど)を使用すると、その反射によって炎症を起こす場合があるので、注意が必要です。

紫外線は殺菌効果が高いだけでなく、布や壁紙を退色させ、植物を枯らすことがある。
弱い殺菌線でも葉がしおれてしまうことがあるため、注意が必要となります。

点灯中の殺菌線出力は、点灯によるガラスの劣化等により、ガラス管の透過率が悪くなります。
寿命時間以上点灯しても初期の殺菌効果が得られませんので定期的にランプを交換する必要があります。

また、ランプや反射板がほこりや油煙で汚れると殺菌効果が著しく低下するため、常に清掃を心がけなければいけません。

主に以下の場所で用いられることが多くなっています。
食品工場、レストラン … カビ・菌の発生抑制、殺菌と落下菌防止
学校 … 給食、調理室の殺菌、実験室・研究室
化粧品・薬品工場、電子工場 … クリーンルームの殺菌