▼用語詳細(電気工事用語集)
始動電流
(シドウデンリュウ)
始動電流とは、定格電圧で電動機を始動するとき、一時的に電動機に流れる大きな電流のことです。

スイッチを入れてから定常の回転数に達するまでに主回路に流れる電流の最大値で、通常その電流は、定格電流の5~7倍の大きなものです。

始動電力は力率が悪く、電源系統を乱す原因ともなります。
始動電流の増大を防ぐために、「始動装置」と呼ばれる装置を用いて、始動電流の低減を図るのが良いとされています。

始動装置には「スターデルタ始動」「コンドルファ始動」など、性能によっていくつかの種類があります。

7.5kWや11kWといった大型の電動機を始動する場合に、始動装置を用いるのが一般的設計手法となっています。

電路に対して、始動時の大電流継続時間が長くなると、系統を保護している配線用遮断器が過電流と認識して、ブレーカートリップにつながることがあるため、遮断器の選定は始動電流を考慮しなければならないので覚えておくこと。

遮断特性を電動機に特化した「モーターブレーカー」と呼ばれる電動機保護用の配線用遮断器も開発されているが、定格容量の汎用ファンに適した遮断器であり、高効率電動機などを保護する場合の選定が難しい。

電動機を配線用遮断器で保護する計画にあっては、配線用遮断器の用途を「短絡」による保護に限定し、過負荷電流の保護はサマーリレーを用いるのが一般的です。