▼用語詳細(電気工事用語集)
単相
(タンソウ)
単相とは、位相が同一の交流電路で、100Vまたは200Vの低圧電路に使用される配電方式のこと。
主に単相と三相などがある。

単相では同じ波形の電流が流れており、三相では3種類の波形の電流が流れています。

単相では2本の線によって電気を送り、三相では3本の線によって電気を送ります。
単相は配線が簡単にできるため、住宅やオフィスなどで主に使用される配線方法。
三相はたくさんの電力を一度に送ることができるため、工場や商店などに使用される配線方法です。

身近なものに例えるなら、道路の車線数に例えられます。
車線が多ければスムーズに沢山の車が走れます。
電気の場合も同じです。
単相に比較して三相の場合は車線数が多いので、より沢山の電気を流すことができます。

大きな電気を消費する業務用電気製品や工場内の電気工作機器などに三相200Vの製品が多いのはこのためです。

単相は三相電源と違い、位相に傾きがなく回転磁界を作ることができないため、回転力を基本とする電動機用の電源としては適していません。

主に、照明やコンセントの電源系統に使用されますが、一部の小型換気扇でも利用されます。

単相電源では、三相電源のように回転磁界は発生せず、上下方向に振動するような「交番磁界」と呼ばれる磁界が発生します。

このままでは回転力が発生しないので、始動用のコイルを設けて電流の位相を変える「分相始動」や、コンデンサを設けて位相を変える「コンデンサ始動」がある。

コンデンサ始動は、高い始動トルクを生み出すため、400~1,000Wという比較的大きな電力を必要とする機器にも適用できます。

単相変圧器の中性線を接地し、両側2本の電圧線と中性線を合わせて、3線による単相電力を供給する配電方式を「単相3線式」と呼びます。

電圧線間で200V、電圧線と中性線間で100Vの電源を得られます。

単相3線式に対して、電圧線と中性線の2線で電源供給する方式を「単相2線式」と呼びます。
照明やコンセント電源として使用され、小規模住宅では単相2線式による給電が比較的多い。