▼用語詳細(電気工事用語集)
無影灯
(ムエイトウ)
無影灯とは、影を作らないようにした照明灯のことを示します。
外科手術室や歯科治療台などで使用する専用照明器具で、20,000lx以上の照度を確保できます。
手や医療器具をかざしても照射対象に影が発生しないように、多数の電球が取り付けられています。

さらに、照射対象に熱を与えないような放熱機構を備えており、高い照度だけでなく、照射対象の本来の色味を再現できるように、高い演色性が維持されている点が特徴です。

他に、焦点距離や焦点光野の拡大・縮小の調節が可能という特徴もあります。

手術の方式によって光の位置を調整する必要があり、無影灯本体を手術台に近い位置まで上下、左右に移動できる仕様になっている。

無影灯は、手術灯とも呼ばれ、自然光と同様の演色性を得るために、ハロゲン電球などの白熱電球が使用されてきたが、近年のLED照明の演色性の向上に伴い、LED化が進められています。
効率を最大限まで高めるため、単色のLEDを多数配置することで、無色の光を再現できるように設計されている製品があり、無影灯本体を見ると赤や青に発光するLED素子を見ることができます。

近年の手術灯は、照度100,000lx以上、演色評価数95以上、色温度変更機能付きといった高い性能が求められるようになっているが、LED光源の高性能化により専用の無影灯が開発され、実用化されています。

無影灯をLED化することにより、ハロゲン電球特有のランプ寿命の短さや、ランプから放射される熱の問題が解消されます。

LED光源の熱は照射面ではなく、背面に多く発生することから、照射対象となる患者への負担が軽減されます。

また、LED光源は色温度や照度の変更(調光)が容易であり、快適な手術環境を得ることが可能とされています。

特に従来から使用されているハロゲン電球は寿命が短く、1年程度でランプ交換が必要となるが、LEDは8~10年という長寿命により、ランニングコストの低減を図ることが可能です。
消費電力も大きく削減可能です。