▼用語詳細(電気工事用語集)
区分開閉器
(クブンカイヘイキ)
区分開閉器とは、受電点の責任区分または財産区分として設置する開閉装置のこと。
電気の供給を受ける電力会社との責任分界点となります。

区分開閉器には種類がある。

低圧受電の場合は、引込開閉器盤などに収容されるMCCB(配線用遮断器)・架空引込では、PAS(気中負荷開閉器・架空引込用)・地中引込ではUGS(気中負荷開閉器・地中引込用)が一般的に使用されています。

区分開閉器を引込点に設けることで、需要家が電気事故を発生させた場合に、電力会社の配電線や変電設備に悪影響を及ぼさないよう、区分開閉器の地点で事故を遮断できるため、波及事故防止に繋がります。

区分開閉器には制御電源が必要となるが、引込点と建築物が近接しておらず、AC100Vの電源を確保できない場合もあります。

制御電源が確保できない場合は、高圧電線路からAC100Vを得るためのVT(計器用変圧器)を内蔵した製品を選定するのが良いとされています。

気柱開閉器は高所に設けられることが多く、落雷などによるサージにさらされるおそれが非常に高いため、LA(避雷器)を設けるのが一般的だが、これを区分開閉器に内蔵することも可能です。

過酷な環境にさらされる区分開閉器は、約10年を経過すると事故を起こす可能性が高くなる傾向にあるので、電気主任技術者の指示のもと、定期的な機器交換が求められます。

通常、PASの外箱に“錆び”が見られるようになれば、要注意の状態と考える。
交換には停電することが必要になるので、電力会社との協議が必要となります。

VT、LAのほか、地絡事故から保護するための地絡継電器や地絡方向継電器、SOG装置などが収容された高機能な区分開閉器も選定可能で、要求される保護の制度や品質に応じ、最適な区分開閉器の選定が求められます。

塩害地域など、過酷な接地環境での区分開閉器の選定では、ステンレス仕様など、重塩害対策品を指定し、塩害による絶縁破壊を防止します。

ただし、多機能な区分開閉器を選定するほど、イニシャルコストが高くなる点に注意を要します。

※イニシャルコストとは…
新規事業を始めたり、設備や機械を新規に導入したりするときに必要になる費用全般。
初期費用とも言う。
新規に導入する機械や設備の購入費のほか、設計費や工事代金・運搬費用などが該当します。