▼用語詳細(電気工事用語集)
引込開閉器盤
(ヒキコミカイヘイキバン)
引込開閉基盤とは、電力会社から低圧で受電する場合に、引込点の最初に設置する盤のこと。
マンションなどの集合住宅の各戸へ電源を供給するための共用分電盤のことです。

開閉器とは、電気の通り道(電路)を閉じたり開いたりする器具のことを示しています。
その開閉器が、電気の引込口(屋外配線と屋内配線をつないでいる部分)付近に取付けられているものを引込開閉器と呼んでいます。

開閉器や電力量計(WHM)を収容し、この盤内を電力会社との責任分界点とすることが多い。
分岐用の開閉器には配線用遮断器(MCCB)やノントリップ開閉器、漏電遮断器などが用いられます。


雷サージによる誘導雷の侵入を防止するため、避雷器(SPD)を内蔵した製品もあります。

SPDを収容する場合、SPD本体だけでなく、SPD切離し用のMCCBも同時に収容されるため盤サイズが比較的大きくなります。

SPDは雷保護に有効であるが、雷サージの大きさによっては故障する可能性があるため、故障を検出できるSPDを選定するのが望ましい。

電力会社が所有となる電力量計を合わせて収容した「引込計器盤」として運用するのが通常で、検針がしやすい屋外に設置します。

建物外壁や自立柱に設置することが多く、美観上建物外壁に引込線を取り付けたくない場合や、通信線などを合わせて引き込みたい場合は、引込用電柱を建てて引込開閉器盤を固定する。

屋外の電柱に取り付けられているケースが一般的ですが、マンションなどの集合住宅の場合は引込開閉器室に収められています。

月々の電気代を算出するために、電力会社の検針員が電力メーター数値の検針を行います。
施錠されていて検針ができない場所に引込開閉器盤を設置することは原則として不可であるので覚えておくこと。

解錠用の鍵を電力会社に提出しておく管理方法があるが、電力会社との協議が必要となる。

沿岸など塩害のおそれがある場所では、ステンレスの本体に焼付塗装を施した製品など、塩害に耐えるキャビネットを選定する必要があります。
製造メーカーはパナソニックや日東工業、河村電器産業などが代表的です。

落雷、台風による電線の切断事故によって引込開閉器が作動して停電になる可能性がありますが、復旧作業は電力会社が対応する。

停電した場合には電力会社、もしくは電気主任技術者に連絡をして、安全確認をしながら復旧作業が行われるのが通常の流れとなります。