▼用語詳細(電気工事用語集)
整流器
(セイリュウキ)
整流器とは、一方向にのみ電流を流すことができる装置のこと。
蓄電池設備を構成する設備の1つで、交流を直流に変換し、蓄電池の充電用機器として使用します。

整流器は定電圧充電と定電流充電を合わせて行い、一定以上の電流が流れないように制御します。

シリコンなどを原材料とした「ダイオード」の特性である、電流を一方向に流す作用を活用します。

整流には「半波整流」と「全波整流」がある。
交流回路では、プラス方向とマイナス方向の交互に電流が流れます。

このプラスまたはマイナスの片方のサイクルのみ対応するのが、半波整流というもの。

回路構成が簡単で低コストだが、効率が悪く、大電流に対応できず、半サイクル分に電流が流れないため、電流の脈動が大きいという欠点があるので注意すること。

対して全波整流は、プラス・マイナスの両側のサイクルを取り組む方式であり、大電流に対応可能となっている。

半波整流では完全に遮断していた側の半波も利用するため、効率が良く、脈動も小さく抑えることができます。

全波整流にはダイオードを2個使用する方式と、より効率の高いダイオード4個によるブリッジ回路方式があります。

半波・全波のどちらであっても、整流した電流をそのまま利用するには不安定なため、照明器具の点灯などでは、平滑用コンデンサを組み合わせて脈動を除去する必要がある。
蓄電池の充電など、安定した平滑性を求めない回路であれば、コスト面の合理性を優先し、コンデンサを省略してしまうという考え方もあります。

蓄電池設備の整流器を選定する場合、整流器の定格電流は「常時負荷電流+充電電流」以上の機能を持つものを選定します。
充電電流は、充電する蓄電池の容量に対し、1/10~1/15の電流値が必要となります。

整流器を選定する場合、鉛蓄電池は10時間率、アルカリ蓄電池は5時間率を使用するため、注意を要する。

シリコン整流器と比べ、小型かつ軽量化が図られた「サイリスタ整流器」が代表的だが、高調波発生により、電源系統に悪影響を及ぼすおそれがあることから、高調波抑制が進んでいる「トランジスタ整流器」も普及しています。
トランジスタ整流器は電圧制御をPWM制御で行っており、サイリスタ整流器の位相制御方式よりも出力電圧の安定化が期待できます。