▼用語詳細(電気工事用語集)
ラピッドスタート形蛍光灯
(ラピッドスタートガタケイコウトウ)
ラピッドスタート形蛍光灯とは、電極を加熱すると同時に、電極間に高電圧を与え、短時間でランプを点灯させる蛍光灯の始動方式のこと。

蛍光灯には3種類の点灯方式があり、電極間に高電圧をかける仕組みの違いが点灯方式の違いとなります。ラピッドスタート形蛍光灯のほかには、スタータ形・高周波点灯専用形(インバータ)などがあります。この方式の違いにより器具(安定器)とランプの構造が変わり、スタータ形とラピッドスタート形、そしてより効率の高い高周波点灯専用形(インバータ)に分かれる。

ラピッドスタート形蛍光灯は、グローランプを使用せず、予熱巻線付き磁気漏れ変圧器形安定器を用いて点灯を行います。即時に点灯するように設計されているため、グロー式よりも安定器が大きく重いのが特徴の1つ。ランプはFLR指定となります。
高周波点灯専用形(インバータ)が主流になる前は、一般に普及していました。エネルギー効率が低く、安定器が重いという欠点により、Hf蛍光灯への置き換えが進んでいます。現在ではLED光源による器具も普及しており、多くが取替え対象となっています。

スターター形蛍光灯は、グロースタータという点灯管を用いて点灯させる方式です。点灯までに時間がかかること・若干チラツキが出やすいというデメリットがあるが、簡素な設計で価格が安いので、一般的に広く普及しています。蛍光灯はFLやFCLなどのグロー専用ランプを使用し、別途グローランプが必要となります。一部の機種でラピッド式専用蛍光灯を使える場合もある。

スターター形には効率によって低力率・高力率の2種類があります。
■ 低力率
力率が低いため、通常の倍程度の電力が必要。ブレーカーや電線などの設備が多く必要となるが、安定器そのものは小型で安いという点がメリットです。一般的に4W~10W程度の小型の器具には低力率形を使用するものが多い。低力率は高力率の倍ほど電力量が必要だが、無効電力として電気代には計上されません。どちらを使用してもランニングコストはかわりません。

■ 高力率
力率が高く低力率と比較して約半分程と効率の高い安定器。低力率形と比較すると多少大きくまた価格も高いですが電力量、発熱量ともに低く経済的な点がメリットです。一般的に20Wや40Wなどの大型のものには高力率を使用するものが多い。

高周波点灯専用形(インバータ)は、電子回路で構成されより効率が良く軽量で即時点灯ができる安定器です。高周波で動作するため、チラツキがなく、ワット数あたりの明るさも高いのが特徴。最近では調光可能な器具もあり、明るさを自在にコントロールし、省エネ化できるようにもなっている。高機能なため、蛍光灯器具ではスタンダードになっています。

蛍光灯はHf専用ランプのFHFを使用します。ランプフリー器具という商品があり、こちらの器具の場合グロー式、ラピッド式、Hf問わず蛍光灯を使用する事が出来ます。