▼用語詳細(電気工事用語集)
断路器
(ダンロキ)
断路器とは、高電圧の電気回路に使われるスイッチのこと。回路に電流が流れていない状態で、回路の開閉を行うための装置です。ジスコン(ディスコン)とも呼ばれ、単線結線図ではDSと表記します。変電所などで、送電系統を切り替える・保守点検を行う際に、機器を回路から確実に切り離すなどのために使用されます。遠隔で動作はしません。また、電源を遮断する機能はありません。真空遮断器の一次側に設置し、遮断器で電流を遮断してから断路器を開放して回路から切り離します。

断路器を設置することで、真空遮断器や保護継電器を無電圧状態にでき、遮断器本体の交換や点検ができるようになります。断路器を設けない場合、遮断器を引き出し式にすれば受電点での停電が必要となり、かつ作業者が停電を確認できないため、作業の危険性が高くなるので、注意を要する。

断路器の操作は、ジスコン棒(ディスコン棒)と呼ばれるフック棒を断路器に引っ掛け、人力で押し込んだり、引っ張ったりすることで操作します。わずかな隙間状態が継続するとアーク(気体放電現象の一種。高温で強い光を発する。)の原因となるため、フック棒を勢いよく操作するのが原則です。飛散したアークが極間や大地に渡ると、アークを通じて短絡事故や地絡事故につながるため大変危険なので、注意すること。

受変電設備の設計では、負荷電流が発生している状態で断路器が開放されないよう、断路器の二次側にある遮断器とインターロックを組み「遮断器投入状態では断路器が動作しない」という機械的な保護機構を備えるのが安全上望ましいとされています。

また、断路器操作用のフック棒は、絶縁性能の高い塩化ビニルやFRP製が一般的。絶縁性能を維持しなければならないので、吸水性のない部材を用います。
通常時はキュービクルの内部に収容スペースを設けておくと、作業時に探すことがないので便利です。使用時にすぐ見つけられるよう「フック棒収容場所」というシールを、収容している盤のハンドルキー付近に貼っておくことも良い。