▼用語詳細(電気工事用語集)
棟上導体
(ムネアゲドウタイ)
棟上導体とは、避雷設備(建築物等を落雷から守る設備。建築基準法により、設置義務が定められている。)を構成する部材の1つ。
他に、突針・ケージ・雷サージなどがある。

「JIS A4201(「建築物等の雷保護」についてのJIS規格)」に規定されている基準に従い、避雷設備の受電部として使用されます。
材質は銅またはアルミが主流となっています。

※受電部とは、雷撃を受けとめるために使用する金属体。
突針部、棟上導体、ケージの網目状導体のほか、直接雷撃を受けとめるために利用される手すり、フェンス、水槽など建築物に附属した金属体も含まれる。

パラペット(建物の屋上や吹抜廊下などの端の部分に立ち上げられた小壁や手摺壁)や屋根上部に露出して設置する導体で、「鬼撚線」と呼ばれる撚り線を用い、20m以内のメッシュ形状で棟上導体を敷設する。

「JIS A4201 2003」では、保護レベルによってメッシュの密度を高めることで、より落雷への保護性能を高められるとしています。

避雷設備として棟上導体を使用することで得られるメリットとしては、突針を使用せずに屋根面を保護でき、意匠性を損なうことがないという事があげられる。

ただし、棟上導体の保護範囲から外れやすいパラペット端部への落雷を保護するためには、棟上導体を端部に突き出す必要があるので注意すること。

アルミ撚線は銅撚り線よりも径を太くなければならず、径が太いため施工性が銅よりも悪い。
銅導体は径が細く施工性が良いが、錆の発生により造営材を汚すことがあるので、敷設時には注意が必要となります。