▼用語詳細(電気工事用語集)
有効電力
(ユウコウデンリョク)
有効電力とは、交流回路において、実際に消費される電力量のことを言います。
コイル成分やコンデンサ成分を持つ電気機器は電流が遅れるため、有効に電力が消費すると無効電力が発生します。

有効電力と無効電力を足した電力を皮相電力と呼びます。
皮相電力は、電路に含まれるコイル成分とコンデンサ成分によって決まる「力率」によって左右され、力率が1に近いほど無効電力の値が少なく、有効に電力が消費される状態を示すことになります。

電熱器や白熱電球など、コイル成分やコンデンサ成分を含まない電気機器は力率が1であるため、有効電力と皮相電力が一致し、無効電力は発生しません。

電力会社から供給を受ける電力においては、有効電力に相当する量のみが料金の支払対象となるため、電力量計は有効電力が計測できる製品が設置されており、これが電気代の算定根拠となります。

電力会社は自らが発電した電力について、無効電力をできるだけ小さく、力率をできる限り1に近づけることで、発電機や変圧器を効率よく運用できるため、高圧または特別高圧で受電する需要家に対し、需要家側で力率を改善することで電気料金を割引するという契約メニューを提供し、力率が悪い需要家に対しては、料金を割増しした請求を行っています。