認定電気工事従事者は試験なしで貰える資格!申請~取得までの流れ
電気工事士 第二種電気工事士 第一種電気工事士目次
認定電気工事従事者は、第二種電気工事士や電気主任技術者の資格を持っていれば、所定の講習を受けて申請するだけで認定証を貰えるというちょっと嬉しい資格です。 また、第一種電気工事士の試験のみ合格済の方など、条件によっては講習を受けずに、申請するだけで認定証をゲットできる場合もあります。
試験を受けずに認定証を取得できるのは結構お得ですよね! 認定証を持っていれば出来る工事の幅も広がりますし、履歴書にも記載できるので取得して損はありません。
この記事では・・・
◎認定電気工事従事者とはどんな資格か
◎認定電気工事従事者を取得するメリット
◎認定電気工事従事者の認定証を取得する方法
をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
認定電気工事従事者とは
認定電気工事従事者とは・・・
最大電力が500キロワット未満の自家用電気工作物のうち、電圧が600ボルト以下で使用する電気工作物の電気工事(簡易電気工事)に携わることが出来ます。
ただし、電線路に係るものを除きます。(電気工事士法第3条第4項に記載)
~豆知識~
●電気工作物
電気を供給するための発電所や変電所・送配電線路をはじめ、工場やビル・住宅などの受電設備・屋内配線・電気使用設備などの総称
●自家用電気工作物
電力会社などの供給会社から、600ボルトを超える電圧を受電して電気を使用する設備のこと(工場やビル、病院、福祉施設、学校などの建物が対象)
●簡易電気工事
電圧が600ボルト以下で使用する電気工作物の電気工事のこと
●一般用電気工作物
電圧が600ボルト以下の低電圧で受電している場所にある電気工作物のこと(一般住宅や小規模な店舗、事業所などの建物が対象)
電気工事士と認定電気工事従事者の工事範囲の違い
【電気工事士と認定電気工事従事者の工事範囲の違い】
- | 第一種電気工事士 | 第二種電気工事士 | 認定電気工事従事者 |
---|---|---|---|
一般用電気工作物の電気工事 | 〇 | 〇 | × |
自家用電気工作物の電気工事 (500キロワット未満、600ボルト以下、かつ電線路に係るものを省く) | 〇 | × | 〇 |
上記は、電気工事士と認定電気工事従事者の工事範囲の違いを簡単にまとめた表です。
まず第一種電気工事士の資格を持っている人は、第二種電気工事士の工事範囲も、 認定電気工事従事者の工事範囲も対応できるので、総じて「最強!」というわけです。
次に第ニ種電気工事士の資格を持っている人は、一般住宅などの低電圧を使用する電気工事には対応することが出来ますが、 工場やビルなどで使用されている電気工作物の工事には対応することが出来ません。 ですから、第二種電気工事士の工事範囲以外にも工事の幅を広げたいという人は、第一種電気工事士の資格を取るか、認定電気工事従事者の資格を取りましょう。
最後に認定電気工事従事者ですが、基本的に自家用電気工作物(500キロワット未満、600ボルト以下、かつ電線路に係るもの以外)の電気工事しかできません。 認定電気工事従事者の資格だけでは、第二種電気工事士の工事範囲はカバーできないので注意が必要です。
==ココでのまとめ==
(1)第一種電気工事士は最強
(2)認定電気工事従事者は、第二種電気工事士保持者の工事範囲を広げられる資格
(3)認定電気工事従事者は、第二種電気工事士の工事範囲はカバーできない
「認定電気工事従事者」の資格を取得するメリット
ここでは、認定電気工事従事者の資格を取得するメリットをお伝えしていきたいと思います。
1つ目は・・・
第二種電気工事士で出来ない工事範囲も対応可能になる点
これが、認定電気工事従事者の資格を取得する最大のメリットなのではないでしょうか。 先ほどもお伝えした通り、認定電気工事従事者は第二種電気工事士の工事範囲を広げられるオプション的な資格です。 両方の工事範囲に対応できる、第一種電気工事士の資格を取得するには、 基本的に実務経験が5年以上必要となります。
しかし認定電気工事従事者は、第二種電気工事士の資格を取得後に3年以上の実務経験があれば、申請をするだけで認定証を取得でき、工事の幅を広げることが出来ます。
更に、「第二種電気工事士の資格はあるけれど、実務経験はない」という人は、所定の講習を受けた後に申請を行うことで認定証をゲットできるので、 実務経験を積まなくても工事の範囲を広げられるというメリットがあります。
2つ目は・・・
試験を受けなくても資格を取得出来る点
1つ目のメリットで少し触れましたが、認定電気工事従事者は『申請』または『講習受講⇒申請』するだけで認定証をゲット出来ます。
『第一種電気工事士の試験に合格した方』
『第二種電気工事士の免状取得+実務経験3年以上の方』
『電気主任技術者の免状取得+実務経験3年以上の方』
上記の方は、所定の申請を済ませるだけでオッケー。
『第二種電気工事士の免状取得+実務経験3年未満の方』
『電気主任技術者の免状取得+実務経験3年未満の方』
上記の方は、一般財団法人 電気工事技術講習センターが行っている6時間の講習を受講後、所定の申請を済ませればオッケー。
試験を受けるための受験勉強って体力も精神力も使いますし、自分のためとは分かっていても結構ストレスになりますよね。 その点、認定電気工事従事者は試験を受けなくても資格を取得できるのでお得ですし、持っていて損はないと思います!
認定証の「申請」~「取得」までの一連の流れ
ここからは認定電気工事従事者を取る際の、申請~取得までの一連の流れをお伝えします。
申請のみでOKの方
【対象者】
◎第一種電気工事士の試験に合格した方
◎第二種電気工事士の免状取得+実務経験3年以上の方
◎電気主任技術者の免状取得+実務経験3年以上の方
まずは認定証の申請を行います。申請を行う場合は、各地域に設置されている「産業保安監督部」に申請を出しましょう。 自分の住んでいる場所に近いところで大丈夫です。(各地域の産業保安監督部については、後ほど記載します。)
申請を行うにはいくつかの書類を用意しなくてはなりません。
<用意するもの>
◎認定申請書
◎認定証交付申請書
◎写真(縦4cm×横3cm:2枚)
※裏面に氏名・生年月日を記入する
◎住民票
◎返信用封筒(切手不要)
◎収入印紙(4,700円分)
※第一種電気工事士の試験に合格した方は、上記に記載したもの以外に試験合格書(写し)が必要。
※第二種電気工事士の免状取得+実務経験3年以上の方、電気主任技術者の免状取得+実務経験3年以上の方は、
上記に記載したもの以外に免状のコピーと実務経験書が必要。
※認定申請書や認定証交付申請書等の様式は、各産業保安監督部のホームページで確認・ダウンロード可能です。
※申請してから交付までの期間は地域によって差があり、数日で届く場合もあれば、1ヶ月くらいかかる場合もあります。
講習受講が必要な方
【対象者】
◎第二種電気工事士の免状取得+実務経験3年未満の方
◎電気主任技術者の免状取得+実務経験3年未満の方
上記の対象者に該当される方は、一般財団法人 電気工事技術講習センターが行っている認定電気工事従事者認定講習を受講する必要があります。 ただし、第二種電気工事士または電気主任技術者の免状の交付を受けていない場合は、 講習を修了しても認定電気工事従事者の認定証が交付されないので注意してください。
<講習受講について>
認定電気工事従事者認定講習は年に2回、上期講習と下期講習があります。 申込期間、講習を行っている地域については、電気工事技術講習センターのホームページで随時ご確認ください。
申し込み方法は下記の3つの方法があります。
■インターネットによる申し込み
■申込書をダウンロードして郵送での申し込み
■申込書を郵送により請求する方法
受講料:12,500円(2021年2月現在)
講習時間や講習科目は下記のとおりです。
講習時間 : 午前10時~午後5時
※講習会場の都合により講習開始時刻は変更されることがあります。
講習科目
(1)配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
(2)電気工事の施工方法
(3)自家用電気工作物の検査方法
(4)自家用電気工作物の保安に関する法令
講習が終了した後は、各地域に設置されている「産業保安監督部」に認定証の申請を行いましょう。 (各地域の産業保安監督部については、後ほど記載します。)
申請を行う際は下記の書類を用意しましょう。
<用意するもの>
◎認定申請書
◎認定証交付申請書
◎写真(縦4cm×横3cm:2枚)
※裏面に氏名・生年月日を記入する
◎住民票
◎返信用封筒(切手不要)
◎収入印紙(4700円分)
◎免状のコピー
◎講習修了書
※認定申請書や認定証交付申請書等の様式は、各産業保安監督部のホームページで確認・ダウンロード可能です。
※申請してから交付までの期間は地域によって差があり、数日で届く場合もあれば、1ヶ月くらいかかる場合もあります。
【各産業保安監督部の一覧】
●北海道:北海道産業保安監督部
●宮城県:関東東北産業保安監督部東北支部
●埼玉県:関東東北産業保安監督部
●愛知県:中部近畿産業保安監督部
●富山県:北陸産業保安監督部署
●大阪府:中部近畿産業保安監督部近畿支部
●広島県:中国四国産業保安監督部
●香川県:中国四国産業保安監督部四国支部
●福岡県:九州産業保安監督部
●沖縄県:那覇産業保安監督事務所
※出典 : 経済産業省ウェブサイト
認定電気工事従事者の求人情報に関して
工事士.comではこれまで、電気設備業界の求人情報を数多く扱ってきましたが、 その中で、認定電気工事従事者の資格を、応募条件の必須事項としている企業はほとんどいませんでした。
あると活かせる資格として記載している企業はいくつか目にしますが、 電気工事に携わる上で、必ず持っていなければいけない資格というわけではないようですね。
第二種電気工事士の資格しか持っていないという人は、認定電気工事従事者の資格もプラスで持っておけば、 転職活動をするときの1つのアピールになるかもしれません!
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。
この記事では、認定電気工事従事者の概要から、資格の取得方法などを一通りお伝えしてきました。 認定電気工事従事者は、電気工事を行う上で「必ず取るべき資格」というより、「持っていると活かせる資格」「第二種電気工事士資格保持者にとって嬉しい資格」という認識でOKだと思います。
試験を受けなくても認定証を貰えるというメリットもあるので、「せっかくなら取りたいな…」と思った方、ぜひ取得してください。 この記事があなたのお役に立つことを祈っています。