ビルメンの仕事に必要な資格|転職希望者が取るべき4点セットとは
ビルメンテナンスビルメンテナンス業界は需要が安定しており、 将来的にビルメンテナンスの仕事に転職したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
この業界に転職するうえで1つのポイントになってくるのが、資格です。
「ビルメンの仕事って、資格は必ず必要なの?」
「将来ビルメンに転職希望しているけれど、どんな資格を取ればいい?」
今回の記事ではこんな悩みや疑問に答えていきたいと思います。ぜひご参考ください!
ビルメンになるには資格は絶対必要?
まず結論として、ビルメンテナンスの仕事は資格がなくても始められます。 工事士.comで掲載していたビルメンテナンス募集の求人でも、無資格・未経験OKの求人はたくさんありました。
ですから、例えば「今までずっとフリーターをやっていた」「普通自動車免許しか持っていない」という方でも、 求人に応募して面接して採用されれば、ビルメンテナンスの仕事をすることができます。
ただし、無資格・未経験で転職活動を行う場合は、
◎ 給料が低いところからのスタートになる
◎ 有資格者に比べると採用される可能性が低い
といったマイナス面もあります。
そんなマイナス面をカバーしてくれるのが資格です。
ビルメンテナンスの仕事に関する資格を持っていれば、
転職活動の際の面接でもアピールできますし、基本給のベースも上がる可能性があります。
また会社によっては資格手当が支給されることも!
資格を持っておくことのメリットはたくさんあるんです。
資格を取得するタイミングには、2つのパターンがあります。
1つは、『転職活動をする前』
ビルメンの仕事に興味はあるけど、すぐ転職したいわけではない/ 今は別の仕事をしていて、将来的にビルメンへの転職を考えている
そんな方は、ビルメンテナンスに関する資格を前もって取得しておき、保有資格のある状態で転職活動を行うのが良いでしょう。 そうすることによって、ちょっと大手の企業も狙いやすくなる・採用されやすくなるといったメリットもできます。
もう1つは『転職先が決まった後』
できるだけ早く転職したい
という方は、転職先が決まって入社後に働きながら資格を取っていくのが良いでしょう。 しかしその際は、面接時に「入社後に働きながら資格取得を目指します!」「積極的に資格取得に取り組みます!」と全力でアピールすることが必要です。
無資格・未経験で転職する際のマイナス面を考えると、なるべく『転職活動をする前』に資格を取ることをオススメします。 転職は人生の分岐点なので、「自分なら、いつ、どのタイミングで資格を取るべきか」を前もって考えておくことが大切ですね。
ビルメンになるなら「4点セット」は持っておくべし
ここからはビルメンテナンスの仕事をするうえで 持っておいたほうが良い資格をご紹介したいと思います。
もしかするとご存じの方もいると思いますが、ビルメンテナンス業界の中には『持っておくべき資格4点セット』 というものがあります。4点セットとは、第ニ電気工事士・2級ボイラー技士・ 危険物取扱者乙種4類・第三種冷凍機械責任者の4つの資格のことです。
● 第ニ種電気工事士
ビルメンテナンス業務の中で、電気設備に関わる業務
(照明交換・簡単な修理や工事)に活かすことが出来ます。
※試験情報
第ニ種電気工事士の試験は筆記試験と技能試験があり、両方に合格することで資格が取得できます。
試験の合格率は筆記試験50%~60%台・技能試験60%~70%台となっています。
● 2級ボイラー技士
ビルなどの建物内に設置されているボイラー設備(冷暖房設備や給湯設備等)の運転管理・点検に活かすことが出来ます。
※試験情報
2級ボイラー技士は、試験に合格したのち、登録ボイラー実技講習機関が行う「ボイラー実技講習」を修了することによって資格が取得できます。
試験の合格率は例年50%~60%台を推移しています。
● 危険物取扱者乙種4類
乙種4類はガソリンやアルコール類、重油・軽油・灯油などの引火性液体を扱える資格です。
建物内のボイラーや非常用発電機などには重油や軽油を使用することが多いので、点検・メンテナンスをする際に活かすことが出来ます。
※試験情報
乙種4類の試験は筆記試験に合格することで資格を得ることが出来ます。
試験の合格率は30%~40%ほどとなっています。合格率だけを見ると一見難しそうに感じる方もいると思いますが、
これは受験者数が非常に多く、個々の学習意欲や勉強量に差が出るためです。
高校生でも合格できるレベルなので、難しいんだ…と身構える必要はありません。
● 第三種冷凍機械責任者
ビル内の空調調和設備や冷凍機・冷却塔などの運転管理・点検に活かすことが出来ます。
※試験情報
第三種冷凍機械責任者の試験は毎年約7000人~8000人が受験しており、合格率は約30%程度となっています。
上記の4つの資格は、いずれも試験を受ける際の受験資格はありません。 そのため期日までに申し込みをすれば、年齢・学歴・経歴を問わずどなたでも試験を受けることが可能です。
ビルメンテナンス業界に初めて飛び込むという方は、まずはこのビルメン4点セットから資格を取っていくのが良いですね! 資格を取る順番は個人の自由ですが、2級ボイラー技士と危険物取扱者乙種4類は年間の試験回数が多く、 取得できるチャンスが多いので最初に取っておくといいかもしれません。
第ニ種電気工事士の試験は年2回、第三種冷凍機械責任者の試験は年1回しかないので、 一発で合格できるようにたっぷりと勉強時間を設けて対策しておくことが大切です。
転職前に資格を取るにしろ、転職後に資格を取るにしろ、 ビルメンテナンスの業界で働いていくのであれば、このビルメン4点セットは取得しておいたほうがいいでしょう。
4点セットの後は、「ビルメン3種の神器」の取得を目指そう
ビルメン4点セットを取得したら、次は「ビルメン3種の神器」の取得を目指しましょう。 3種の神器とは、電験3種(第3種電気主任技術者)・ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)・エネルギー管理士の3つの資格のことです。
● 電験3種(第3種電気主任技術者)
電験3種はおもにビルや工場・商業施設などの受変電設備や電気設備を保守・点検するための資格です。
この資格を持っていると、電圧5万ボルトまでの電気設備の保守・管理ができるので、
高電圧を使用しているビルなどを管理する際には必要とされています。
また、5万ボルトを超える高電圧を扱うような大型の発電所や工場などの電気設備を管理するときは、 上位資格の電験2種や電験1種の資格を取得しなくてはいけません。
※試験情報
電験3種の試験は年に1回行われており、
合格率は例年一桁台で、およそ8%~10%を推移しています。
試験を受けるための受験資格はなく、申し込みをすればどなたでも受験が可能なので、 毎年4万人~5万人もの人が受験していますが、10人に1人しか合格できないのでかなり難易度は高いと言えるでしょう。
電験3種の難易度や合格率、 勉強方法などは別記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。 また、資格取得後の働き方や 年収などを紹介している記事もあるので、 興味のある方はぜひご覧になってみてください。
● ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)
ビル管理士は、正式名称で「建築物環境衛生管理技術者」といいます。
この資格は、建物の面積が3,000平方メートル以上
(学校施設の場合は8,000平方メートル以上)の施設を管理する際に必ず必要とされている資格です。
この資格を取得する際は、次の用途において供される建築物の当該用途部分において 環境衛生上の維持管理に関する実務に、業として2年以上従事しなければなりません。
【建築物の用途】
ア | 興行場(映画館、劇場等)、百貨店、集会場(公民館、結婚式場、 市民ホール等)、図書館、博物館、美術館、遊技場(ボーリング場等) |
イ | 店舗、事務所 |
ウ | 学校(研修所を含む) |
エ | 旅館、ホテル |
オ | その他、アからエまでの用途に類する用途 (多数の者の使用、利用に供される用途であって、かつ、 衛生的環境もアからエまでの用途におけるそれと類似しているとみられるものをいいます。) |
※環境衛生上の維持管理に関する実務とは…
1:空気調和設備管理
2:給水、給湯設備管理(貯水槽の維持管理を含む。浄水場の維持管理業務を除く)
3:排水設備管理(浄化槽の維持管理を含む。下水処理場の維持管理業務を除く)
4:ボイラ設備管理
5:電気設備管理(電気事業の変電、配電などのみの業務を除く)
6:掃除及び廃棄物処理
7:ねずみ、昆虫等の防除
※受験資格に関する詳しい情報は、
公益財団法人 日本建築衛生管理教育センターHPでご確認ください。
※試験情報
ビル管理士の資格試験は年に1回行われており、合格率は20%~30%ほどとなっています。
受験者は毎年約1万人で、ビルや施設などの管理の仕事に携わる人が多く受験しています。
ビルメンテナンスの仕事で活躍していきたいのであれば、なるべく持っておきたい資格だと言えるでしょう。
● エネルギー管理士
ある一定のエネルギーを使用する中規模以上の工場や事業所などでは、
その規模に応じてエネルギー管理士の資格を持つ管理者を一人配置することが法律で義務付けられています。
この資格を持っていると、電気やガス・油などのエネルギーをたくさん使用する工場や 大型の施設などで設備を管理したり、使用方法の監視や改善を指示したりする業務を行うことができます。
※試験情報
エネルギー管理士の資格を取るには、国家試験を受けて合格する方法と、認定研修を受けて合格する方法の2パターンがあります。
国家試験を受ける場合、受験資格は特にないのでどなたでも受験することが可能です。試験には「熱分野」と
「電気分野」があり、熱分野の合格率は約20%~30%、電気分野の合格率は約10%~20%ほどとなっています。
認定研修を受ける場合は、研修申し込み時までに
「エネルギーの使用の合理化に関する実務に3年以上」従事しなければなりません。
上記でご紹介した『ビルメン3種の神器』は、 ビルメンテナンスの仕事に携わる上で必ず持っておかなければならないという訳ではありません。 しかし、この上位資格を持っていることで、転職時の面接では採用担当者の目に留まる可能性がグンっと高まるでしょう。 また、上記3つの資格はビルメン4点セットの資格よりもレベルの高い資格なので、手当の金額も高額になるかもしれません。
資格試験を受けるためには実務経験が必要となるものもあるので、
働きながら資格取得に挑戦していくのがいいかもしれませんね!
取得する順番としては、
電験3種(受験資格なし)⇒ビル管理士(実務2年)⇒エネルギー管理士(実務3年で研修で取得)
がオススメです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまで、ビルメンテナンスの仕事をする上で取得したほうが良い資格・活かせる資格をお伝えしてきました。 ビルメンテナンスに関する資格は、ビルメン4点セットやビルメン3種の神器のほかに下記のような資格もあります。
電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士、ビル設備管理技能士、ビルクリーニング技能士、 消防設備士、防火管理者、排水設備工事責任技術者、給水装置工事主任技術者 など
上記のほかにもビルメンテナンスの関連資格は非常にたくさんあります。
「将来ビルメンの仕事に就きたい」と思っている方は、ぜひ今回紹介した資格の取得を目指してみてください!
この記事で読んだ情報があなたのお役に立つことを祈っています。
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