電気工事士の残業や勤務時間などの職場環境/転職前に確認

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電気工事士として働こうと思うと、

「必要な時は残業するけど、残業して当たり前な職場は、ちょっと・・・」 「残業する人が偉い、というのは苦手だな・・・」


という人もいると思います。 この記事では、電気工事士の残業状況や、会社による違いについてお伝えします。電気工事士専門の求人サイトである「工事士.com」に掲載されている求人情報をもとにしていますので、是非、参考にしてください。


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電気工事士の残業が多いのは、どうして?

電気工事士とか工事の仕事って残業多そう・・・。そんな声をよく聞きます。 残業時間が多いとして、そうなる理由はどのようなことがあるでしょうか。


工期があるから

一番大きな理由は、工期までに工事を終わらせて、 お客様に引き渡す必要があるからです。

工事を終わらせる日付、お客様に引き渡す日付は、あらかじめ計画で決まっています。

計画から遅れてしまった、引き渡しに間に合いそうにない、 そんな時には計画の遅れを取り戻すために残業する必要が生まれます。

計画通りに進めばよいのですが、現場では不測の事態がつきもの。 残業して間に合わせることが出てきます。


関わる人が多いから

工事現場では多くの人、多くの会社が協力します。 建物の持ち主や、役所の人なども関係者です。

そうすると、一人の作業の遅れは小さくても、チリも積もれば山となるで、 現場全体でみると、大きな遅れになってしまいます。

どなたも経験があると思いますが、ついついギ予定リギリになってしまったり、 少し予定を遅れてしまったりすることが、普段からありませんか? そうした一人ひとりの小さな遅れの積み重ねが、多くの人が関わる工事現場では、 大きな遅れになってしまいます。


どんな人でも人間ですから、その日の体調や健康状態、気分、 人間関係などで、仕事のスピードにちょっとした影響は生まれます。

また、天気や、事故、ちょっとしたトラブル、工事計画の変更など、現場によって起きることは様々。 工事現場は、なまものですので、全てが当初の計画通りにはいかないようです。


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電気工事は、後半の工事だから

また、電気工事士が担当する電気設備の工事は、 建物の基礎や壁などが出来上がってきた後に行う、全体でも後半の工事です。

そのため、それまでに起きた計画の遅れや変更点などの影響を全て受けることになります。 電気工事士の仕事の後には、引き渡しの日が近づいています。

それまでの遅れがあったとしても、 設備工事のところで帳尻を合わせる。そういったことも求められます。


工事現場までの距離があるから

最後にもう1点つけ加えると、工事現場によっては、 会社の事務所から離れている場合もあります。

例えば、事務所から現場まで車で片道2時間なんて場合を、 電気工事士さんから聞いたこともあります。

そうすると、往復だけでも、それなりに時間がかかってしまい、更に工事もしたら、 残業となってしまう・・・なんてことも、あるようです。


上の4つのことを理由として、残業が多くなることがあるようです。 では続いて、実際の残業時間や勤務時間についてもお伝えします。


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実際の数字で見る、残業時間・勤務時間

電気工事士専門の求人サイトに掲載された求人情報をもとに、 勤務時間と残業時間について調べてみました。次のような分布になりました。


▽勤務開始時間の内訳
「7:00開始」 ・・・ 2%
「8:00開始」 ・・・ 58%
「8:30開始」 ・・・ 14%
「8:45開始」 ・・・ 2%
「9:00開始」 ・・・ 18%
「その他」   ・・・ 6%



(集計は、2017年10~12月掲載の求人を対象)
(職種は、電気工事士を主に現場代理人や設備保守の仕事も一部含みます)



勤務時間は、半分以上が8:00の勤務開始となっており、 そのほとんどが「8:00~17:00」を勤務時間としていました。 次に、8:30開始、9:00開始の会社も一定の割合がありました。

その他に含まれているのは、季節によって勤務開始時間が変動する会社。あるいは、日中勤務と夜間勤務の両方でシフトが組まれる会社です。

夜間勤務の発生については、7:00~9:00の勤務開始時間の 会社の中でも発生するようでした。


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▽残業時間の内訳(1ヶ月)
「残業なし~10時間」 ・・・ 14%
「30時間まで」    ・・・ 39%
「40時間~」     ・・・ 22%
「現場状況による」   ・・・ 25%



1つの目安として、20~40時間あたりの残業時間がもっとも多いパターンだと言えます。

ただし、どの会社からも聞くのは、「繁忙期や季節によって変わる」「現場状況によって変わってしまうので一概に言えない」という声です。

実際、集計をとってみても、25%の会社では「現場状況による」という表記で求人に出しています。 どのような時に忙しくなったり、残業が多くなったりするかは、面接で確認してみましょう。

残業と一緒にお休みの日数や制度も関連するかと思います。


「残業なし~10時間」に分類される会社については、基本的に残業が発生しないような業務計画となっているようです。現場に入れる時間が限定されている場合や、1日の工事内容や工事件数が予め決まっているような場合です。

もしくは、残業が多くならないように、会社全体で徹底した工夫をされているパターンです。


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会社による残業の違いは、こうして生まれる

上で書いた通り、電気工事士の仕事といっても、残業時間についてはバラつきがありました。 会社による残業の違いについては、次の点を確認してください。


■工事種類、工事現場による違い

「建設現場での住宅やマンションなどの工事」
建設中物件の電気配線の工事をします。比較的工期が長く、「1.電気工事士の残業が多いのは、どうして?」で取り上げた内容が、そのまま当てはまります。

お客様の引き渡しに間に合わせるために、残業が発生したり、工事現場が遠くなると、移動に時間がかかったりします。引き渡し間近になると、残業や休日出勤が多くなりがちです。

この工事種類で、残業時間が10~20時間と少なめになっている会社では、効率化などの工夫をして時間短縮をされていると思われます。


マンションや住宅などの電気工事求人


「エアコンや防犯設備などの設置工事」
既に出来上がっている建物に、エアコンなどの設備を取り付ける工事です。

工事の規模にもよりますが、1件あたりの設置工事は、2~3時間程ですので、工事が間に合わずに残業するということは、建設中の現場に比べると少ないです。

また、一般住宅向けの工事も多いため、夜遅くまでの作業が発生することは稀です。

たくさんの工事件数に対応する場合や、事務所に戻ってからの事務作業に時間がかかる場合には、残業が増えることもあります。

あるいは、繁忙期やエアコン設置のハイシーズン(夏前)などは、忙しくなりがちです。また、一般住宅で平日に留守のお客様もいるので、土日出勤が増えるのも特徴です。


「エアコン」に関する電気工事求人


「防犯設備」に関する電気工事求人


「鉄道系の工事」
比較的、残業時間は少ない仕事です。電車が動いていない時などに仕事をすることが多く、工事できる時間が限られているからです。

会社によって、実質の作業時間が1日で4~5時間といったこともあります。限られた時間内で終わらせることが大変なので、短期集中することが必要です。

その分、残業時間は比較的少なくなります。日中に工事ができないと、勤務時間が夜間の場合もあります。


「鉄道」に関する電気工事求人


「保守・点検の工事」
ビル管理・保守の仕事や、製品を生産するメーカーの工場での仕事などがあります。

新しく工事を進めるわけではないので、大きなトラブルなどがなければ、基本的には勤務時間内で業務が終わります。残業はそこまで多くありません。

勤務時間については、会社によって異なり、日中勤務だけでなく、夜勤勤務があったり、朝・昼・夜のシフト制を取っていたりする場合もあります。

保守する建物の稼働時間によって変わってきます。また、大規模な点検や補修をする時は、忙しくなりがちです。


保守・点検・メンテナンスの電気工事求人


■その他の違いの理由

残業時間の大まかな違いは、上に書いた工事種類の違いによるものです。その他でいうと、自社で現場監督も、実際の工事作業もやっている場合は、現場での連携がとりやすくて、作業が早かったりします。

比較的ベテランの職人さんが集まっている現場では、一人ひとりの工事のスピードや効率が良いので、早め早めに工事が進んだりします。

あるいは、経営者の考えで「残業が少なくなるように、徹底的に効率化しよう」と考えている場合は、常に工事のスピードや効率化を念頭に置いて工夫している結果、残業の減少に成功している会社もあります。

このように、会社の状況や取り組み方次第で違いがあるので、同じ工事種類であっても、残業時間に違いが生まれているようです。


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転職活動、求人を見るときのポイント

電気工事士の仕事の残業時間について、見てきました。 最後に、転職活動をする場合に、求人を見る時、応募する時のポイントをお伝えします。


残業時間の欄を確認するということはもちろんですが、 残業時間の理由や考え方、取り組み内容なども参考になります。

上でも書いたように、「現場で工事ができるのが○時までだから」「代表者の考えで、効率よく働くようにして、メリハリを大事にしている」などの情報です。


数値で表示される情報だけでなく、その背景にある理由や考え方に納得できたり、 共感できたりすると、より自身に合っている会社を判断できると思います。


「電気工事士の仕事をする以上、残業は覚悟している。ただ、意味もなく残業する、残業が当たり前になっているのには、違和感がある」「残業するのが嫌なんじゃなくて、残業している人が偉い・残業してない人はやる気がない、みたいな考え方が苦手」


という人もいるのではないでしょうか。


求人票からだけでは分からない場合は、面接の時に代表者の考えや、 実際に働いている方の勤務状況を聞いてみるのも良いでしょう。

「技術を学びたいと思っている。必要なことだったら、時間をかけて前向きに取り組む」という学ぶ姿勢を伝えた上で、残業に対する考えを伝えて、相手の意見をもらってもいいかもしれません。もちろん、相手の反応を見ながら、伝え方には注意しましょう。


一方で、未来永劫、残業が発生しない・少ないままだと保証するような仕事は、 基本的にはないでしょう。どんな仕事でもお客様がいて、 仕事の状況によっては残業が止むを得ない場合もあるからです。

また、電気工事士の中には、職人として「現場で学んでナンボ、どれだけ長く多く経験したかの勝負」という考えを持っている方がいるのも事実です。


仕事に対する考えは、どれが絶対に正しいということはないと思います。様々な考えの人がいることも、頭にいれておくと良いと思います。

電気工事の仕事で技術を身につけるためには、現場での経験量は重要で、たくさんの経験を積むことでしか得られない側面もあるようです。

この業界に入る以上は、技術を磨いていく上での心構えは理解しておきましょう。



また、休みの状況など、 電気工事士として大変なことは、その他にもあると思います。 何を重視するかは、その人次第ですね。

大変なことも多いですがその分のやりがいもあるのが、 電気工事の仕事です。この記事以外にも、様々な情報をお届けしていますので、是非、その他の記事も参考にしてください。


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